1900年代初期にボヘミアで製造、ルビー赤の6角面取り・型成形のボヘミア・レッド

本品は、アフリカとの交易ビーズで、1900年代初期のボヘミア・レッドです。鮮やかな赤の、面取り六角双円錐形ビーズで、側面の角は緩やかで丸みを帯びています。　チェコ西部のボヘミアでは、17C以降ガラス・ビーズ制作が始まり、ベネチアと違い広大な北部森林樹木（ブナやオーク）を燃料にでき、灰を主原料・珪砂の溶解温度の低下に不可欠なアルカリ剤に用い発展しました。　プラハの北東、約80㌔でボヘミア地方に属し、ガラスと宝飾品で有名なガーブロンツ（今日のヤブロネツ）では、1530年頃からビーズ制作が始まり、1820年頃までにガラス用の新炉が設置されました。明るいルビー赤や、メノウやガーネットを模した赤褐色の、ガラスを製造し、型成形で面取りビーズを完成させ、とくに東アフリカに輸出しました。アフリカでは、白やオレンジ赤など鮮やか色の天然石ビーズが従来から好まれ、色が濃ければそれだけ、身に付けた人は保護の力を得られると見なされていました。　チェコ西部のボヘミアと東部のモラヴィアは、他地域のビーズやビーズ素材を模し、安価な天然石よりも大いに安価なガラス・ビーズ製造に特化しました。型押し面取り楕円体ビーズは、19C第2四半期以降に初めて確認され、19Cから20C初期の多面体ビーズ製造では、事前切断による型付鉄製トング（特殊型つきペンチ風）の手操作から、取り換え可能な事前切断金型付き手操作機械に転換したとされます。型ビーズは、2つの型で融解ガラスを摘まむか押しつけて成形され、穿孔は、型に針を刺しガラスに孔を貫通させます。この製法は、多分、18Ｃ初期にボヘミアで発明されたと言われます。　ドイツのイダー・オーバーシュタインのメノウ産業は、19-20Cに主要なビーズ製造拠点ですが、ボヘミアの安価な面取り型成形ガラス・ビーズは、インドやドイツの天然石ビーズにとって代わりました。　20C初期には、転換した型成形機械により面取りビーズが多数製造可能となり、本品のルビー赤や、半透明で六角面取り乳白ビーズが製造されました。後者はアフリカで、金と同価値などと高く評価されました。　本品は、ボヘミア・ガラスとビーズの歴史を身近に感じさせてくれ、鮮やかなルビー赤ビーズは、私たちの「気分を高揚させる」、言わば、パワー・ストーンといえそうです。サイズ　高さ　約22㍉　幅　約7㍉　孔径　約2…

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